美味しいペルー料理 自宅で作れるレシピ付き

ペルー料理の基本情報

ペルーはここ。南米大陸の西側、赤道のすぐ下に位置します。

ペルーの国土は3つに分けることが出来ます。

黄色=沿岸地域
茶色=アンデス地域
緑色=アマゾン(ジャングル)

①米を主食とする沿岸地域、②ジャガイモを主食とするアンデス地方、③ユカ(キャッサバイモ)を主食とするアマゾン。それぞれの地域に伝統の料理があるのですが、それらがヨーロッパやアジアの食文化と融合して現在のペルー料理となっています。

牛肉の炒め物、豚肉の煮込み、鶏肉の炊き込みご飯など肉料理が多いですが、太平洋沿岸には大きな漁港がいくつもあり魚介料理も充実。またジャガイモやユカ(キャッサバイモ)等イモを使った料理が多いのも特徴です。

こちらのページでは代表的なペルー料理を取り上げ、レシピも少しづつ増やしていきますので気長にお付き合い頂けたらと思います。

アヒ・デ・ガジーナ

Aji de gallina, by Wikimedia Commons, CC BY

ペルー・クリオール料理の定番。黄色唐辛子やタマネギ、パン、牛乳、ブイヨンスープなどで作った濃厚ピリ辛スープに、細かく裂いた鳥肉を入れて煮込んだ料理。白いライスやジャガイモ、ゆで卵などを添えて提供されます。

クリオール(スペイン語ではクリオジャ)とはヨーロッパをルーツにラテンアメリカで生まれたものの意味。アヒ・デ・ガジーナも植民地時代にスペインから伝わり、その後ペルーで独自の味付けに変わっています。アヒは唐辛子、ガジーナとはひな鳥(雌鶏)の事。スペイン語圏では唐辛子の事をチレと呼ぶところが多いですがペルーではアヒと呼びます。また鶏肉は一般的にはポジョ。雄鶏はガジョで雌鳥はガジーナ。アヒ・デ・ガジーナでは主に鳥の胸肉を使います。

アロッス・コン・ポジョ

Arroz con Pollo, by G M, CC BY

アロス=米、ポジョ=鶏肉、米と鶏肉を主原料にした炊き込みご飯。その他にパプリカ、ニンニク、玉ねぎ、パクチー、アヒ(唐辛子)などが入ります。こちらも上記に続いてスペインから伝えられたクリオール料理。ラテンアメリカ各地で食べられますが、特にペルーのものが有名で、ブログなどで紹介されているのはペルーのレシピが多いです。見た目や作り方はスペインのパエリアに似ていますがペルーならではの食材、香辛料が入りパエリアとはまた違う独特の味わいを楽しめます。

アロッス・コン・マリスコス

Arroz con mariscos, by alobos life CC BY-NC-ND

マリスコス(魚介類)を入れたペルーの炊き込みご飯。ペルーの人は鶏肉や魚介の炊き込みご飯が大好きです。こちらのアロス・コン・マリスコスは、メインの魚介としてエビ、イカ、タコなど、その他ニンニク、玉ねぎ、パピリカ、パクチー、グリンピース、オリーブ、アヒ(唐辛子)などが入り、パエリアのように米と食材を一緒に炊き込んでも良いですし、米を炊いた後に食材を混ぜて炒める場合もあります。特に沿岸地域でよく食べられる定番の料理です。

セビーチェ

Ceviche, by James CC BY-NC-ND

セビーチェは魚介類のマリネ。2センチ角程度に切った白身魚(生)、あるいは茹でたエビ、イカ、タコなどのシーフードをアヒ(唐辛子)や玉ねぎの千切り、オリーブオイル、そしてたっぷりのレモン汁で和えたかなり酸っぱ辛い味付けの料理です。おつまみにしても良いですし、これにユカ(キャッサバイモ)、カモテ(サツマイモ)、トウモロコシなどを添えて主菜として提供されることも。ペルーのセビーチェが有名ですが、沿岸地域であればラテンアメリカ中どこでも食べられるとてもポピュラー料理です。

ロモ・サルタード

Lomo Saltado, by Wikimedia Commons, CC BY

牛肉やフライドポテトをしょうゆ味で炒めた中華風のペルー料理。ペルーには地元の伝統料理と中国からもたらされた中華料理との融合として生まれたChifa(チーファ)という料理ジャンルがあるのですが、その代表的な料理がロモ・サルタード。細く切った牛肉や野菜をしょうゆ味で香ばしく炒め、フライド・ポテトを加えて再度炒め、ライスと一緒に提供されます。ピリ辛のアヒ・ソースをかけるとさらにおいしいです。

アグアディート

Cuisine Peru Aguadito, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

冬になるとよく食べられるお米の入った雑炊のようなスープ。鶏肉や牛肉、野菜等をお米と一緒に煮込みます。スープが濃い緑色をしていますが、それはホウレンソウや大量のパクチーが入るから。パクチーは苦手ですが?でも大丈夫、パクチーは火を通すとまったく別物になりあの独特の臭みがなくなります。きっとパクチーが苦手な方も美味しく食べられでしょう。お肉の代わりにペスカード(魚)やマリスコス(魚介)を使ってAGUADITO DE PESCADO , AGUADITO DE MARISCOSとしても良いです。

セコ・デ・カルネ

Seco de carne peru, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

牛肉の塊を柔らかくなるまで煮込んだペルーの伝統的なシチュー。ジャガイモ、トマト、玉ねぎ、にんにく等の野菜と一緒に煮込みます。中でも味の決め手となるのがパクチーとチチャ・デ・ホヤ。チチャ・デ・ホヤはトウモロコシを発酵させたアンデス地方の伝統的な飲み物で、なんと日本でも通販で買えるようです。ロモ・サルタードと並ぶペルーの人気料理ですので是非試してみて下さい。

パパ・ア・ラ・ワンカイーナ

Perú Papa a la Huancaína, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

パパはジャガイモ、ワンカヨはペルーの地名。パパ・ア・ラ・ワンカイーナは、ワンカヨ風のジャガイモという意味です。茹でたジャガイモに、黄色唐辛子、チーズ、生クリームなどで作ったクリーミーなソースをかけて食べるシンプルな料理。ゆで卵やオリーブなどが添えられます。黄色唐辛子は程よい辛さでペルー料理ではお馴染み。ソースからシチュー、スープまで様々な料理で使われています。

チュペデ・カマロネス

Chupe de Camarones, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

ペルー南部の町アレキパ発祥のピリ辛でクリーミーなエビのスープ。スペイン語版CNN「世界のスープ20選」にも選ばれた人気の料理です。エビの殻でダシをとったスープで玉ねぎ、ニンニク、トマト、米、ジャガイモ、トウモロコシなどを煮込み、最後にエビ、チーズ、ミルクなどをいれて数分煮て完成。カマロネスはスペイン語でエビの事ですが、エビの代わりにポジョ(鶏肉)やペスカード(魚)を使ったチュペもあります。

パチャマンカ

Pachamanca, by tacowitte CC BY

ケチュア語で「パチャ」とは土、「マンカ」とは鍋の事。パチャマンカは地面に穴を掘り、その穴を鍋として食材を蒸し上げるペルーの伝統料理です。再現するのは難しいですがペルー料理のルーツでもある重要な料理ですのでご紹介したいと思います。

起源は西暦500年~900年ごろ、アンデス中央高地で繁栄したワリ文明に始まりその後インカに受け継がれ、現在もペルー各地で食べられています。肉や魚に「チンチョイ」「ワカタイ」と呼ばれる緑色のハーブ液で下味をつけバナナの皮で包んでおきます。そして穴の中に熱した石を入れ、その上に肉や魚、丸ごとのサツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシなどをのせ、最後にバナナの葉や石、土などで密封して準備OK。一時間ほどかけてゆっくり蒸しあげます。パチャマンカはペルー人にとって特別な料理で、2月最初の日曜日はパチャマンカの日とされてます。